電気設計の転職先7分野:設計するもの・資格・求人の見方を整理

本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。紹介の有無や報酬は記事の内容・結論に影響しません。

※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月30日

結論

  • 電気設計の主な転職先は、①産業機械・半導体製造装置、②自動車・電装部品、③家電・電子機器、④計測・検査機器、⑤工場・プラントの設備電気、⑥建築設備(ビル・工場の電気設備)、⑦電力・鉄道などのインフラ、の7分野に分けると整理しやすくなります。
  • 同じ「電気設計」でも、機器の中の回路を設計する仕事(弱電)と、設備や建物に電気を通す仕事(強電)では、使う知識・法令・資格が違います。転職先は業界名より「何を設計していたか」で選ぶと、経験とのずれが小さくなります。
  • 求人を見るときは、設計する対象、使うCAD・ツール、関係する法令と資格、就業場所と「変更の範囲」の4点を確かめておくと、入社後のずれを減らせます。

電気設計は「機器の回路」と「設備の電気」で転職先が分かれる

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、電気設計に近い職業が二つに分かれています。一つは「電子機器技術者」で、携帯電話やテレビ、産業用の制御・通信・自動化装置などの開発・設計と、製造工程の技術開発を担う職業です。もう一つは「電気技術者」で、電気設備や機器の技術開発・改良、保守・管理、更新工事などを担い、発電設備などの強電分野と、通信機器などの弱電分野に分かれると説明されています。

求人票の「電気設計」も、このどちらかを指していることがほとんどです。回路図や基板を描く仕事なのか、制御盤・配線・受変電設備を設計する仕事なのかで、前職の経験の生かし方が変わります。

job tag の職業主な仕事job tag に書かれた勤務先関連資格(job tag の記載)
電子機器技術者電子機器の開発・設計、試作・試験、量産準備、発売後の改良電子機器メーカー。自動車、流通・運輸、農業などでもIoTやセンサーの需要から求められる傾向特になし
電気技術者電気設備・機器の開発・改良、保守・管理、更新工事電力会社、鉄道会社、電気機器メーカーなど電気主任技術者(第一〜第三種)、電気工事施工管理技士、エネルギー管理士など

電気技術者の職業別名には「電気設備設計技術者」「電気機器生産技術者」も挙げられています。工場の電気設計(工場電気設計)は、こちらの電気技術者に近い仕事です。

電気設計の転職先7分野の一覧

下の表は、転職先を「設計するもの」で並べたものです。関係する法令・資格は代表的なものだけを挙げています。

転職先の分野主に設計するもの関係する法令・資格の例求人で確かめる点
①産業機械・半導体製造装置装置の制御回路、制御盤、電源、センサー配線機械の安全に関する規格、輸出先の規格装置1台のどこまでを担当するか、立ち上げ・出張の有無
②自動車・電装部品電子制御ユニット、ワイヤーハーネス、車載電源車載向けの品質規格(会社ごとに確認)部品メーカーか完成車メーカーか、担当する開発段階
③家電・電子機器回路・基板、電源、ノイズ対策電気用品安全法(PSEマーク)など回路設計か基板設計か、評価・認証まで担当するか
④計測・検査機器アナログ回路、信号処理、制御基板製品ごとの規格試作・評価の比重、ソフトウェアとの分担
⑤工場・プラントの設備電気受変電設備、動力配線、生産設備の制御電気主任技術者、電気工事士新設・改造・保全のどれが中心か、夜間・休日対応
⑥建築設備(電気設備設計)ビル・工場の照明、コンセント、幹線、受変電建築設備士、電気工事施工管理技士設計事務所か施工会社か、図面と現場監理の比重
⑦電力・鉄道などのインフラ発変電設備、送配電、信号・通信設備電気主任技術者など勤務地の範囲、交替勤務や呼び出しの有無

産業機械・半導体製造装置

装置メーカーの電気設計は、機械設計が決めた装置の構造に、電源・制御・センサーを組み込む仕事です。設計した装置を顧客の工場で立ち上げる段階まで関わる求人もあります。日本半導体製造装置協会(SEAJ)が2026年7月2日に発表した需要予測では、日本製半導体製造装置の販売高は2025年度の実績が5兆1,986億円、2026年度の予測が6兆5,502億円(前年度比26.0%増)、2027年度の予測が7兆4,017億円です。予測は今後変わることがあるため、応募する会社の受注状況は決算資料でも確かめてください。

家電・電子機器

家庭向けの電気製品を設計する場合は、電気用品安全法を理解しておく必要があります。経済産業省の説明では、対象は特定電気用品116品目と、それ以外の電気用品341品目です。製造・輸入事業者には、事業の届出、技術基準への適合、自主検査と記録の保存などの義務があり、義務を果たした製品だけにPSEマークを付けられます。回路の経験に加えて、こうした規制への対応を担当した経験があると、職務経歴書で具体的に書けます。

工場・プラントの設備電気(工場電気設計)

工場の電気設計は、受変電設備や動力配線、生産設備の制御など、建物と設備に電気を通す仕事です。電気技術者試験センターの説明では、事業用の電気工作物を設置する者は、その規模や受電電圧に応じて電気主任技術者を選任する必要があります。また、第一種電気工事士は自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備の工事に従事できるとされています。設計だけでなく保安や工事の知識を求める求人が多いため、資格の有無が応募条件に入っていないかを確かめます。

建築設備・電力・鉄道

ビルや工場の電気設備設計では、建築図に合わせて照明・コンセント・幹線・受変電を設計します。関係する資格として、建築技術教育普及センターが試験を実施する建築設備士があります。電力会社や鉄道会社は、job tag の電気技術者の勤務先として挙げられており、鉄道会社では受変電設備や架線、信号・通信設備の保守や更新を担当すると説明されています。いずれも設計と保守の距離が近い分野です。

統計で見る電気設計の求人

job tag には、ハローワークの求人統計(令和7年度)と賃金構造基本統計調査(令和7年)の値が載っています。電子機器技術者と電気技術者は、統計上同じ分類にまとめられているため、どちらのページも同じ値です。

項目値出典
有効求人倍率2.43倍ハローワーク求人統計(令和7年度)
求人賃金(月額)31.5万円(前年度差+0.6万円)ハローワーク求人統計(令和7年度)
賃金(年収)703.9万円賃金構造基本統計調査(令和7年)
平均年齢42.1歳賃金構造基本統計調査(令和7年)
就業者数305,190人国勢調査(令和2年)

有効求人倍率が1倍を超えているのは、ハローワークで求職者1人に対して求人が1件より多いという意味です。ただし、民間の転職サービスだけで募集している求人は含まれません。年収の値は分類全体の平均で、業界・会社・年齢による差が大きいため、個別の求人の条件で比べてください。

今の経験から近い転職先を選ぶ

電気設計の経験は、業界を変えても生かせる部分が多い一方で、設計対象が変わると補う知識も変わります。次の表は、経験と近い転職先の組み合わせの例です。

今の経験近い転職先補うとよい知識
電子回路・基板の設計③家電・電子機器、④計測・検査機器、②電装部品転職先の製品に関係する法令・規格
制御盤・PLC・装置の電気設計①産業機械・半導体製造装置、⑤工場の設備電気装置の立ち上げ、顧客先での作業の進め方
受変電・動力配線の設計⑤工場・プラント、⑥建築設備、⑦電力・鉄道電気主任技術者などの資格、保安の手順
建物の電気設備設計⑥建築設備、⑤工場の設備電気生産設備の負荷、工場特有の安全ルール

機械設計との違いを先に整理したい場合は、機械設計と電気設計の違いも参考になります。半導体分野に応募する場合は、装置・材料・デバイスのどのメーカーかで仕事が変わるため、半導体の装置・材料・デバイスメーカーの違いで業態を確かめておくと、求人の読み違いを減らせます。

応募前に確かめること

2024年4月から、労働条件の明示事項に「就業場所・業務の変更の範囲」が加わりました。電気設計の求人には、製品メーカーの正社員のほか、設計専門会社に雇われて取引先で設計する形もあります。後者では、実際に働く場所が雇用主の事業所と違うことがあるため、変更の範囲を書面で確かめます。

  • 設計する対象:回路・基板か、制御盤か、設備・建物の電気か
  • 担当する段階:構想、詳細設計、試作・評価、量産・立ち上げのどこまでか
  • 使うツール:回路CAD、電気CAD、シミュレーション、PLCの開発環境など
  • 法令・資格:応募条件に資格が入っているか、入社後の取得支援があるか
  • 働く場所:配属先の事業所、顧客先での作業や出張の頻度、変更の範囲

求人の数が多い職種なので、相談先を使う場合は、製品メーカーと設計専門会社のどちらの求人を多く扱っているかを最初に聞くと比べやすくなります。機械設計と並べて転職先を比べたい場合は機械設計・電気設計の転職先比較、メーカー専門の相談先で何を話すかは製造業・メーカーの無料転職面談は何を話す?にまとめています。

メーカー・製造業の転職相談を比較する場合(PR・広告)

メーカーズジョブは、メーカー・製造業の技術職を対象とする転職支援サービスです。希望する設計分野・担当工程・勤務地・出張や転勤の条件を整理してから、取り扱う求人と支援範囲を確認してください。すべての転職先分野を扱うとは限らず、求人の紹介・採用・年収上昇を保証するものではありません。

メーカー・製造業に特化!経験豊富なコンサルが導く転職支援【メーカーズジョブ】

この広告リンクを経由した申し込み等により、当サイトに報酬が支払われることがあります。

よくある質問

Q. 電気設計から未経験の業界へ転職できますか。
A. 設計対象が近ければ、業界が変わっても経験を説明しやすくなります。たとえば制御盤の設計経験は、装置メーカーと工場の設備電気の両方に関係します。応募先の製品に関係する法令や規格は、入社前に概要を調べておくと面接で説明しやすくなります。

Q. 工場の電気設計に資格は必要ですか。
A. 求人によります。事業用の電気工作物を設置する事業者は、規模や受電電圧に応じて電気主任技術者を選任する必要があるため、保安業務を含む求人では資格が応募条件になる場合があります。設計だけを担当する求人もあるため、求人票の必須条件と歓迎条件を分けて確かめてください。

Q. 電気設計の年収は機械設計より高いですか。
A. job tag では電気技術者の年収が703.9万円と表示されていますが、これは分類全体の平均で、業界や会社による差のほうが大きいと考えられます。転職先を比べるときは、基本給・賞与・残業代の内訳を求人ごとに比べてください。

Q. 設計専門会社と製品メーカー、どちらを選べばよいですか。
A. どちらが良いとは一概にいえません。設計専門会社は複数の製品に関われる場合がある一方、働く場所が取引先になることがあります。製品メーカーは担当製品が決まりやすい一方、配属は社内の事情で決まります。就業場所と業務の変更の範囲を書面で確かめてから判断します。

出典(確認日:2026年10月30日)

本記事は公開情報をもとに編集部が作成しました。運営者(半導体関連メーカー勤務)が内容を確認しています。

シロク
シロクのひとこと

条件を並べると、次に確かめることが見えてくるね。