半導体×年収

半導体工場の夜勤手当はいくら? 4組2交替の深夜割増25%を求人票の数字で計算する

※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日

結論

  • 夜22時から朝5時までの労働には、労働基準法第37条で25%以上の割増賃金(深夜割増)が必要です。残業が深夜にかかれば50%以上になります。
  • 深夜割増は「1時間あたりの賃金×0.25×深夜の時間数」で計算します。基本給16万円・月平均所定160時間・月48時間の深夜なら、月12,000円・年144,000円です(この記事の仮定で計算)。
  • 交替手当や皆勤手当は会社ごとの制度です。求人票では「月給に何が含まれるか」「固定残業代の有無」を確かめます。

交替勤務のパターン

半導体工場は装置を止めずに動かすことが多く、オペレーターや装置保全では交替勤務がよくあります。代表的な形は次のとおりです。

パターンしくみ求人票の書き方の例
4組2交替4つの班が昼勤・夜勤の2つの時間帯を回す。1回の勤務は12時間前後が多い「2勤2休、3勤3休、4勤4休など月によって変動」(大分市掲載の求人票)
3交替1日を3つの時間帯に分けて回す。1回8時間前後「3交替(日勤・準夜勤・深夜勤)」など
日勤+呼び出し普段は日勤。トラブルのときに夜間呼ばれる技術職の求人に多い

大分市が掲載している半導体製造装置のメンテナンスの求人票(2025年3月受付)には、4組2交替、休憩70分、年間休日149日、時間外は月平均20時間と書かれています。ただし深夜割増の金額は書かれていません。こうした求人票は珍しくないため、自分で計算できると比べやすくなります。職種ごとの夜勤の実態は半導体工場の夜勤と呼び出しの記事にまとめています。

法律で決まっている割増率

働いた時間割増率(以上)根拠
深夜(22時〜5時)25%労働基準法第37条第4項
時間外(法定労働時間を超えた分)25%同条第1項・割増賃金令
時間外が月60時間を超えた分50%同条第1項
法定休日の労働35%同条第1項・割増賃金令
時間外が深夜にかかった分50%労働基準法施行規則第20条
法定休日の労働が深夜にかかった分60%同上

夜勤がもともとの勤務時間(所定労働時間)の中にある場合、その時間の賃金は月給に入っているので、上乗せされるのは25%分です。

計算のもとになる「1時間あたりの賃金」は、月給制なら「月給÷1か月の所定労働時間」です。月によって所定労働時間が違うときは、1年間の平均を使います(施行規則第19条)。家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時の賃金・1か月を超える期間ごとの賃金(賞与など)は計算から除きます(法第37条第5項・施行規則第21条)。皆勤手当や交替手当のように毎月払われる手当は、この除外リストに入っていません。

計算例:深夜割増は月いくら?

ここでは計算の流れを示すため、次の仮定を置きます。実際の数字は、自分の求人票や労働条件通知書で置きかえてください。

  • 夜勤は20時〜翌8時、休憩1時間が深夜の時間帯の中にあるとする → 1回の深夜時間は6時間
  • 夜勤は月8回 → 深夜時間は月48時間
  • 月平均所定労働時間は160時間
  • 割増の計算に入る賃金(基本給+除外されない手当)は16万円・22.5万円・30万円の3通り(16万円・22.5万円は大分市掲載の求人票に見える金額を参考にした例)
計算に入る賃金(月)1時間あたり深夜割増(1時間)深夜割増(月48時間)深夜割増(年)
160,000円1,000円250円12,000円144,000円
225,000円約1,406円約352円16,875円202,500円
300,000円1,875円約469円22,500円270,000円

式:月給÷160時間×0.25×48時間。例えば22.5万円なら、225,000÷160=1,406.25円、×0.25=351.5625円、×48=16,875円です。年はこれを12倍しています。

残業も加えると、22.5万円の例で月20時間の時間外(深夜にかからない分)は 1,406.25×1.25×20=約35,156円です。時間外が深夜にかかった時間は、1時間あたり1.5倍で計算します。

月平均所定労働時間は、年間休日の数でも変わります。例えば1日8時間・年間休日120日なら、(365−120)×8÷12=約163.3時間です。同じ月給でも所定労働時間が長いほど、1時間あたりの賃金は低くなり、割増の額も下がります。

現場の実態:運営者が聞く範囲では、深夜割増のほかに付く交替手当・夜勤手当はあまり多くないようです。日勤で残業を上限近くまでしたほうが、収入が多くなることもあるという話も聞きます。

求人票で見分けるポイント

  1. 月給に何が入っているか:「月給22万円(交替手当含む)」のように手当込みの書き方なら、基本給と手当を分けて確認します。
  2. 固定残業代の有無:厚生労働省・ハローワークは、固定残業代を使う場合、①固定残業代を除いた基本給の額、②固定残業代の時間数と金額などの計算方法、③固定残業時間を超える時間外・休日・深夜の労働に割増賃金を追加で払うこと、の3つを求人に書くよう求めています。
  3. 皆勤手当などの条件:大分市掲載の求人票では、皆勤手当(5,000円〜10,000円)が欠勤・遅刻・早退2回以上で支給なしとされています。休みやすさと手当の関係を確認します。
  4. 年間休日と所定労働時間:1時間あたりの賃金を計算するために、1日の所定労働時間と年間休日を確かめます。

日勤の技術者との比べ方

日勤の技術者は深夜割増がふだん付かない代わりに、基本給が高めの求人もあります。夜の呼び出しで残業になった場合は、深夜の時間外として50%以上の割増の対象になります。例えば計算に入る賃金30万円・月平均160時間の人が23時〜翌1時に2時間呼び出されると、1,875円×1.5×2=5,625円です。年収で比べるときは、基本給だけでなく「深夜割増や手当がどのくらい年収に入っているか」をそろえて比べます。工場で働く人の平均的な年収の統計は半導体工場の平均年収の記事で紹介しています。

現場の実態:交替勤務から日勤の技術職に移っても、年収はそこまで変わらないことが多く、残業時間しだいです。日勤の技術者が夜に呼び出されるのはトラブルがあったときくらいで、役職が下のうちはなおさら呼ばれにくいです。

よくある質問

Q. 夜勤手当と深夜割増は同じですか?
A. 深夜割増は法律で決まった25%以上の上乗せです。「夜勤手当」「交替手当」は会社が独自に決める手当で、名前や金額は会社ごとに違います。両方が払われる会社もあります。

Q. 派遣や契約社員でも深夜割増はもらえますか?
A. 労働基準法第37条は雇用形態に関係なく、労働者が22時〜5時に働いた場合に適用されます。派遣の場合は、雇用している派遣元が支払います。

Q. 「深夜手当込み」の月給は違法ですか?
A. 定額で払うこと自体がすぐに違法となるわけではありませんが、実際の深夜割増の額を下回る場合は差額の支払いが必要とされています。金額と時間数が明示されているかを確認しましょう。

参考にした情報(確認日:2026年10月27日)

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