半導体業界の今後は? 新工場ラッシュで人が足りなくなる部署・職種
確認:運営者(半導体関連メーカー勤務)
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国内では、半導体の大きな工場計画が続いています。製造装置の販売も、この先数年は伸びると予測されています。転職を考える人にとって大事なのは、「業界が伸びるか」よりも「どの部署の人が足りなくなるか」です。この記事では、2026年10月時点の公開情報をもとに整理します。

国内で進む主な工場計画
| 場所 | 会社 | 主な動き |
|---|---|---|
| 熊本県菊陽町 | JASM(TSMCの子会社) | 第2工場は3ナノの生産に計画を変更。2028年12月までの量産開始を目指す(2026年10月に経済産業省が認定) |
| 北海道千歳市 | ラピダス | 2ナノ世代の量産を2027年度後半に開始する計画。先端パッケージングの量産は2028年度の計画 |
| 岩手県北上市 | キオクシア | 北上工場の第2製造棟が2025年9月に稼働を開始 |
製造装置も伸びる予測です。日本半導体製造装置協会(SEAJ)は2026年7月、日本製の半導体製造装置の販売高が、2026年度に約6.6兆円(前年度比26%増)、2027年度に約7.4兆円(13%増)になると予測しました。AI向けの先端半導体やメモリへの投資が理由とされています。
人はどのくらい足りない?
日本政策投資銀行のレポート(2025年8月)は、次の数字を紹介しています。
- 電子情報技術産業協会(JEITA)の半導体部会に参加する9社だけで、今後10年で約4万3,000人の半導体人材が必要
- 九州では、半導体人材が毎年約900人不足するとの予測(NEDOの調査)。不足の過半数は生産技術の職種
人が足りなくなりそうな部署・職種
上の動きをもとに、編集部が整理した見立てです。求人の数を保証するものではなく、どこに人が必要になりやすいかの目安として読んでください。
1. 生産技術・設備 新しい工場を立ち上げるには、設備を選び、入れ、動かし続ける人が必要です。九州の予測でも、不足の過半数は生産技術とされています。他業界からいちばん入りやすい部署でもあります。
2. 装置メーカーのフィールドエンジニア 装置の販売が伸び、新しい工場に装置が運び込まれるほど、顧客の工場で装置を立ち上げ、保守する人が必要になります。ただし、呼び出しや出張の負担が大きい仕事です(半導体のフィールドエンジニアはきつい?)。
3. 量産のプロセスエンジニア 工場が動き始めたあとは、歩留まりを上げ、安定して作り続ける人が必要です。技術者は修士・博士が中心ですが、日々の生産を回す人には学士も多くいます。
4. オペレーター 工場が増えれば、装置を動かす人も必要です。一方で、装置の監視やメンテナンス、後工程の調整などは、AIや標準化で省人化が期待されている(日本政策投資銀行の現場ヒアリング)という面もあります。
現場の声:増えているのは「データ」と「派遣」、変わり始めた単純作業
半導体業界で働く人からは、次のような声がありました。
- 増えているのは、研究・開発・品質保証でのデータサイエンスの仕事、一般的な研究開発、それに工場や試作のための派遣社員
- ただし単純作業は、秘密保持などの観点から、派遣社員から高卒の社員へ比重が移り始めている気がする
データサイエンスは、中途で研究に入ってくる例がある職種でもあります(半導体の研究職に中途で入るには?)。半導体の経験がなくても、データ分析の実務経験が入口になります。また、高卒の社員をオペレーターとして採用する動きは、「派遣より社員で」という流れとも重なります(プロセスエンジニアとオペレーターの違い)。
知っておきたい注意点
- 計画は変わる:熊本の第2工場は、作る半導体の世代が変わり、生産能力の計画も大きく見直されました。「工場ができるから安泰」ではなく、応募先の計画と役割を自分で確かめましょう。
- 勤務地が地方になりやすい:新しい工場は熊本・北海道・岩手など、地方にあります。転居や寮・社宅の制度も一緒に確かめましょう。
- 業界には波がある:半導体は、数年ごとに需要の波が来る業界です。どの会社でも通用する経験(装置の立ち上げ、工程の改善など)を積める部署を選ぶと、波に強くなります。
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よくある質問
Q. 半導体業界はこの先も伸びますか? A. 国内では熊本・北海道・岩手で大きな工場計画が進み、日本製の製造装置の販売も2027年度まで伸びると予測されています。ただし半導体は需要に波がある業界で、計画が見直されることもあります。
Q. これから人が足りなくなるのはどの職種ですか? A. 新しい工場の立ち上げに関わる生産技術や、装置メーカーのフィールドエンジニア、量産のプロセスエンジニアです。現場からは、研究・開発・品質保証でのデータサイエンスの仕事が増えているという声もあります。九州の予測では、不足の過半数が生産技術とされています。
参考にした情報(確認日:2026年10月24日)
本記事は、公開されている情報と、半導体業界で働く人の声をもとに編集部が作成しました。運営者(半導体関連メーカー勤務)が内容を確認しています。
- TSMC熊本第2工場の3nm生産計画、経産省が認定(EE Times Japan、2026年10月19日)
- ラピダスへの追加出資と量産計画(EE Times Japan、2026年10月20日)
- キオクシア 北上工場第2製造棟の稼働開始(2025年9月30日)
- SEAJの製造装置需要予測(マイナビニュース、2026年7月3日)
- 半導体人材の育成と確保(日本政策投資銀行、2025年8月)

条件を並べると、次に確かめることが見えてくるね。